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ハロアルブログへようこそ! このブログでは私の歯科医師としての立場から歯の大切さと、私が行っているフィリピンへの医療活動を通して、日々社会について感じたことを綴っていきたいと思っています。

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やまさん2

“長生き”は私達の夢です。それでは長生きは私達に幸福を与えてくれるのでしょうか・・・・。
 私は歯医者ですが、今から20年前に“歯の往診”を始めました。

 当時、日本中には、私のような歯医者はほんの数名しかいませんでした。私が往診を始めたのはそれまで元気で通院していた高齢者が脳梗塞で倒れ、入院したことがきっかけでした。

 その病院にも歯医者がいましたが、「どうしても私に診てもらいたい」と言っているということでその病院から連絡があって、診ることになりました。

 その往診で2つのことを教えてもらいました。
 一つは患者さんにそこまで信頼される私になっていたことをとても嬉しく思ったことです。そしてこの関係が“かかりつけ歯科医”なのです。

 もう一つは病院と歯科医が密接な関係を持つことが大切だということです。

 その経験を通して患者さんが歯科医院内で見せる顔とそれ以外で見せる顔の違いの大きさも味わいました。

 この経験は私に心から患者さんを思わないと、あるいは尽くさないと患者さんは満足できないことを教えてくれました。これが“医は仁術”ということになるのだと思います。

 私は往診を“歯医者の出前”だと思っています。ですから全く苦になりません。通院できる人は診療所に来てもらえばいいし、来られなくなったら動ける私が往診すればいいというだけです。治療は診療所も往診先も一緒です。できることを誠心誠意やればいいということです。

 そうして今回は101歳のやまさんを診ているのですが、わたしはいつも“笑顔”で話しかけられるように心がけています。私の未熟なところはまだ努力しなければ明るい笑顔をしていられないことです。

 ところがやまさんは心の底からあふれ出すような笑顔です。60歳をとうに過ぎた私ですが、やまさんの前では「まだまだだなー」と思わないわけにいきません。

 そういうやまさんですから、100歳を越しても元気でいられるのだと思います。やまさんのような“長生き”なら本当に幸福だと思います。

 実際にはやまさんのような人より、多くの病気を持った人のほうがはるかに多いようです。時には早く星の国に行ったほうが幸福なのではないかと思えるような人に会います。
“長生き”をしたためむしろ不幸だったり、周囲の人を苦しめている人もいるように感じられます。

 やまさんがこうした幸福の薄い高齢者の多い中で、いつも笑顔で楽しそうなのはやまさんの今まで通った道のりにあるように思います。やまさんはとても“徳の高い人”なのです。

 やまさんの下顎の歯はとてもうまく入りました。いろいろ調整をしないのに不思議なくらいうまく入ったと思います。やまさんは治療中ずっと笑顔で、治療そのものを楽しんでいるのです。治療する私も楽しくなってしまうほどでした。

逆に時間をかけて、調整をしても全くうまくいかない人もいます。このタイプの人は、何をしても不平や不満だらけの人に多いようです。こういう時私は平常心でやろうとしますが、どうも逆になってしまいます。

 やまさんは笑顔の中で私に“生き方”を教えてくれます。不思議なことに“笑顔”は言葉を出さないのに私を悟してくれる力を持っているのです。
 
うまく噛めるようになったやまさんはこれまた素晴らしい笑顔でお嫁さんの作ってくれた薄切りのキュウリとキャベツの浅漬けをシャキシャキと音を立てて食べました。
「これでまた“長生き”したくなった」と言うのです。

 私はやまさんが“長生き”の意味とその時の“楽しみ”を教えてくれているように感じました。

そしてやまさんような高徳な人の診療をさせてもらえる歯医者になれたことをとても嬉しく、私にとってかけがえのない財産だと思います。
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